作品解説 制作日誌

登場人物は脚本家の分身であるか?

2026.07.17

以下、ネタバレ大いにあります。
「君たちはどう死ぬか?」の再演をネタバレなしで見たいという方は本記事を読まない方がよい。

「君たちはどう死ぬか?」の公演を終えた後、出演者の一人に
「全ての登場人物はフジオカさんの分身だと感じた」と伝えていただいた。
その時、確かにそうだと思った。
果たして本当にそうか。改めて検証してみる。

1.五右衛門

フジオカ本人が演じた役。
ドロップアウトであり、他人のぬくもりを拒絶しながら求めていた青年時代の姿はフジオカに重なるものがある。

結論:◯

2.太宰

引っ込み思案であたまでっかち。青臭い青年。
アゲハにそそのかされて、駆け落ちを決意する。気弱で素直。
若かりし日のフジオカはこういう素直さも持っていた、気がする。

結論:◯

3.ハカセ

「すべからく人間は自殺する自由意志を持つ」というような、自殺するための理論武装を完全に行った人物。
物語序盤では、集まった5人が自殺する方向へ意識的に誘導していくが。。。
冷たさ、人間への諦め、一方で隠しきれない温かさも持つ。

結論:◯

4.アゲハ

生きることにうんざりして、集団自殺の場へふらりと現れた水商売の女性。
生来の寂しがり・男好きのために、死に直面する場でも太宰を誘惑してしまう。

さて、アゲハはフジオカの人格の分身だろうか?
どちらかというと、過去に出会った女性がモデルであり、モデルをベースとした創作である。

結論:X

5.かのん

若い女性。人生に嫌気がさしてこの場に集まった。
彼女が抱えているのは人間存在への完全な絶望というよりも、一時的な失望であり、回復可能な存在の象徴として、かのんはこの物語の中に配されている。

結論:△

総論

全キャラクターが分身であったかを改めて検証すると、そうではない気がした。
ただし、フジオカにアゲハのような要素はないか?と問われれば「ある」し、かのんのような要素も「ある」。
ともかく、公演終了後、「全キャラクターはフジオカの生き写しだと感じた」と言ってもらえたのは嬉しいことだった。
役者さんに台本をよく読み込んで楽しんで貰えたと感じたから。

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